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温度応力解析関連
□ 有限要素法
有限要素法とは、対象になる物体を有限個の要素(三角形要素、四角形要素など)に分割して、それぞれの領域について力学的挙動を求める計算手法。
2次元、3次元解析に適用可能であり以下のような利点がある。
・任意形状の構造物に適用可能で、多様な境界条件を考慮できる。
・多くの分野で活用されており汎用的である。
・弾性解析において理論的根拠が明確で、解の信頼性も比較的高い。
□ 有効弾性係数
クリープひずみを温度応力解析に導入する方法で弾性係数を低減する形でクリープの影響を考慮する。
補正係数φ(t)・・・温度上昇時におけるクリープの影響が大きいことによるヤング係数の補正係数
材齢3日までφ(t)=0.73 材齢5日以降φ(t)=1.0
材齢3日から5日までは直線補間しても良い。
□ ひび割れ誘発目地
材料、配合等の対策によりひび割れを制御することが難しい壁状の構造物等で、構造物の長手方向にある間隔で断面欠損部を設け、その箇所にひび割れを誘発させる方法。断面欠損には鉄板などが用いられ誘発目地の断面減少率は20%以上とする必要がある。また、構造物の形状、寸法にもよるが一般的に4~5m程度ピッチに設置されることが多い。
□ パイプクーリング
マスコンクリートの温度ひび割れ対策として大規模ダムなどで使用される。コンクリート中に埋め込まれたパイプに冷却水や河川水などを通水する事によりコンクリートの上昇温度を小さくし温度ひび割れを抑制する方法。パイプには外径25mm程度の薄肉鋼管(SGP管など)が用いられる事が多い。また、パイプ周りのコンクリート温度と通水温度との差の目安は20℃程度以下とされている。空気を通して冷却する方法もある。
□ プレクーリング
液体窒素や冷水、氷などであらかじめコンクリート材料(骨材や水など)を冷却し打設前のコンクリート温度を低くする事によりその後の温度上昇量を小さくする方法。ミキサー内部に液体窒素を直接吹き込む場合もある。
□ 内部拘束ひび割れ
コンクリートの表面と内部の温度差から生じる内部拘束作用によって発生する応力により、初期の段階に発生する表面ひび割れ
□ 外部拘束ひび割れ
新設コンクリート全体の温度が降下するときに収縮変形が既設のコンクリートや岩盤等によって外部から拘束されて生じる引張応力により、材齢がある程度進んだ後に発生する貫通ひび割れ
□ CP(Compensation Plane)法
・・・2次元による解析手法
壁状構造物など温度勾配が卓越する断面と引張応力が卓越する断面が異なる場合に用いられる手法で拘束される効果を拘束係数によって評価している。拘束係数には曲げ拘束係数と軸拘束係数がありL/HやEc/Er(拘束体とコンクリートのヤング係数比)によって決定される。
□ L/H
=長さと高さの比
一般に L/Hが大 → 拘束度が増し外部拘束が卓越するようになる。
L/Hが小 → 拘束度は小さい。
□ ポアソン比
・・・横ひずみ/縦ひずみ
イメージでいうと
ポアソン比が小さい=スカスカ(圧縮した時に横に広がらず潰れていくようなもの)
ポアソン比が大きい=密実なもの
ちなみに 水など非体積圧縮性=0.5
□ ヤング率
=静弾性係数
応力ひずみ曲線を描いた時の傾き
ヤング率小さい=ゴムのように応力が生じた時ひずみが大きいもの
ヤング率大きい=鉄などのように応力が生じた時ひずみが小さいもの
σ=Eε のE
□ 比熱
単位容積質量あたりの熱容量
比熱が大きい→温まりにくく、冷めにくい
比熱が小さい→温まりやすく、冷めやすい
C=mc
(C:熱容量[J/K 又は calK] m:質量[g] c:比熱[J/g・K 又は cal/g・K])
□ 熱伝導率
熱は温度の高い方から低い方へ移動する。熱伝導率とはこの熱移動のおこりやすさを表す係数で(W/m・℃)で表される。
熱伝導率が大きい→熱が伝わりやすい
熱伝導率が小さい→熱が伝わりにくい
□ 熱伝達率
固体から流体、流体から固体へ熱が伝わるときの伝わりやすさを表す係数で(W/m2・℃)で表される。
熱伝達率が大きい→熱が伝わりやすい
熱伝達率が小さい→熱が伝わりにくい(断熱材は0)
□ 線膨張係数
単位長さあたりにおける、温度による長さの変化率として定義されるもの
線膨張率をα、体積膨張率をβとすると β=3α の関係がある。
⊿L=α・L・⊿T (⊿L:伸び、L:長さ、⊿T:温度上昇)
α=⊿L/L (⊿T=1℃)
□ 熱膨張係数
温度の上昇によって物体の長さ・体積が膨張する割合を、1(℃)当たりで示したもの。
熱膨張係数は線膨張係数と体積膨張係数を含めた広義な意味
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